
故障を防ぐ!乗用草刈機の使用前&使用後メンテナンス徹底解説

乗用草刈機は、広い草地を短時間で効率よく整備できる頼もしい存在です。その性能を十分に発揮し、安心して使い続けるためには、日々のメンテナンスが欠かせません。特に「使用前」と「使用後」の点検や整備は、故障やトラブルによる作業中断を防ぐためにも重要な基本作業です。
この記事では、キャニコムの乗用草刈機「フルーティまさお CMX2206HC」をモデルに、日常的に実施しておきたいメンテナンスの要点をわかりやすく解説します。作業前後の点検を習慣化し、安全作業と機械の性能維持を目指しましょう。
\フルーティまさおの点検に使える/
日常のメンテナンスは使用者ご自身で行っていただけますが、技術や知識が求められる年次点検や故障時の修理については、お買い求めいただいた販売店にご相談ください。
目次
使用前に必要な点検項目
取扱説明書に詳しく記載していますが、その中でも特に重要な使用前点検項目が下記の8点です。
- タイヤに空気が入っているか
- ホイールボルトに緩みや脱落はないか
- ブレーキの効きに問題はないか
- 刈刃は限界磨耗を超えていないか、亀裂がないか
- 刈刃取付ピン(ボルト)が限界磨耗を超えていないか、亀裂がないか
- 刈刃ステーが磨耗限界を超えていないか、亀裂がないか
- 刈刃カバー及び飛散防止ゴムに破損はないか
- エンジンオイル量は適正か
- 試運転してみて異音や異常振動がないか
タイヤに空気が入っているか

タイヤの空気圧が不足していると、タイヤの異常磨耗や損傷を引き起こす恐れがあります。作業の安定性にも関わるため、必ずチェックするようにしましょう。エアゲージで計測し、指定の空気圧で使用してください。
フルーティまさお CMX2206HCの場合
箇所 | タイヤサイズ | 空気圧 kPa(kgf/cm2) |
---|---|---|
前輪 | 4.00-7 (4PR) | 240 (2.4) |
後輪 | 19×8.00-10 (4PR) | 240 (2.4) |
ホイールボルトに緩みや脱落はないか
ホイールボルトが緩んでいると、走行中にタイヤが外れる危険があります。点検は手で触れるだけでなく、スパナなどで軽く締まり具合を確認しましょう。
ブレーキの効きに問題はないか
ブレーキの効きが甘い状態だと、下り坂や傾斜地での事故の危険性が高まります。駐車ブレーキをかけたまま車体を手で押して動かないか確認したり、安全な環境でブレーキテストをしてみてください。
刈刃は限界磨耗を超えていないか、亀裂がないか

刈刃が摩耗しすぎていたり、欠けやヒビがあると、草がうまく刈れないばかりか、異常振動や機械の破損にもつながります。交換する際は左右2枚の刈刃を同時に交換しましょう。
刈刃取付ピン(ボルト)が限界磨耗を超えていないか、亀裂がないか

刈刃取付ピン(ボルト)が摩耗すると、ステーへの保持ができなくなり、刈刃が飛散するおそれがあります。刈刃を交換する場合は、刈刃ピンとウェーブワッシャも必ず新品に交換してください。小さな部品ですが、非常に重要です。
刈刃ステーが磨耗限界を超えていないか、亀裂がないか

刈刃ステーとは、刈刃の取り付けを支えている金属のアーム部分です。磨耗限界を超えると刈刃を保持できなくなり、刈刃が飛散するおそれがあります。
刈刃カバー及び飛散防止ゴムに破損はないか

作業中の石飛びを防ぐ安全装置です。破損していると周囲への危険が増すのでしっかりチェックしてください。
エンジンオイル量は適正か

オイルが不足していると「エンジンの焼き付き」の故障原因になります。また、オイルが汚れていても性能が著しく低下するので、こまめな確認と交換が必須です。
オイル量はエンジン上部にある「レベルゲージ」で確認します。レベルゲージにある上限マークと下限マークの間に油量があればOKです。もし減っていれば継ぎ足しを。初回使用後の20時間で交換し、以後は50時間毎に必ず交換を行ってください。
試運転して異音や異常振動がないか
静止状態の点検だけでなく、実際に動かしてみることで異常が見つかることも多くあります。前後進や左右旋回、刈刃クラッチの入り切りなどを行い、異音や不自然な振動がないか確認しましょう。
使用後に必要な点検、メンテナンス項目
使用後に行うべき基本作業は次の2点です。
- 車体全体の清掃・洗浄(草・ホコリの除去)
- 使用前に行った点検項目の再チェック
清掃ポイント別・具体的な手順
エンジン周辺の清掃

- エンジンカバーを開けて、内部に溜まった草やホコリをブロワーで吹き飛ばします。
- エアクリーナカバーを開け、エレメントを取り出します。
- 紙フィルターとウレタンフィルターを分離します。
- 内側からエアブローをかけるか、軽く叩いて汚れを落としてください。
- 汚れがひどい場合やエアフィルターに損傷がある場合は新しいものに交換してください。
- ファン周りのホコリの除去を行います。
刈刃デッキ周辺、刈刃カバー内部の清掃

- 座席を跳ね上げて固定し刈刃デッキ周辺に付着した草を取り除きます。
- 刈刃カバーを開閉し刈刃や刈刃ステーの中心に草の巻き付きや噛み込みがないか確認します。
後部カバー内部

- 後部カバーを開けてほこりをブロワーで飛ばします。
- HST(油圧走行装置)を冷やすためのファンにゴミが付着していれば除去してください。※羽の変形がないかも確認する。
水を使っての全体洗浄
エンジンとフロントパネル回り以外は水を使っての洗浄が可能です。雑草による黒ずみ(渋み)はアルカリ性の洗浄液をかけてから洗浄するとより綺麗になります。
刈刃カバー内部は刈刃ギアケース横に水道ホースを繋いで洗浄することも可能です。
最後にもう一度点検を
清掃が終わった後は、使用前点検で確認した8項目をもう一度チェックしてください。作業後の状態で異常がないかを確認することで、万が一の故障を未然に防げます。
まとめ
乗用草刈機のメンテナンスは快適に作業するための「仕込み」であり、機械を長く使うための「おまじない」ともいえる大切な習慣です。
特に以下のポイントは毎回必ず実施しましょう。
- 刈草やホコリの徹底除去(エンジン・刈刃・冷却ファンまわり)
- 刈刃・ピン・ステーなど駆動部の状態確認
- エンジンオイルやベルトなど消耗品の劣化チェック
乗用草刈機「フルーティまさお」商品ページ >>
https://canycom.jp/products/detail/fruitymasao/
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